オジサンです。
このブログとしては相当久しぶりになりますが、個別銘柄の詳細分析の記事となります。
今回扱う銘柄は「ハウスドゥ」という不動産系の会社になりますが、ハウスドゥや不動産系銘柄に興味が無い人でも役に立つ内容に仕上げているつもりです。
オジサンは株式投資において、買う銘柄についてストーリーを持っておくことが大切と主張してきました。
ストーリーを立てることによって、以下のような効果があります
①買う理由が明確になる
②その企業について重点的に見ていくべきポイントが明確になる
③売るべき状況が明確になる(特に塩漬けを防ぐ効果が高い)
④勝ちパターンに再現性がある(投資家としての実力アップ)
ストーリーを立てるには、その会社のビジネスモデルや事業環境(社会情勢含む)を理解することがポイントになります。
今回はハウスドゥを例に挙げて、ストーリーの立て方の一例をご紹介したいと思います。
そもそもハウスドゥは何をやっている会社なのか?
ハウスドゥはいわゆる不動産業に属する会社です。
しかし、普通の不動産業とはビジネスモデルが異なります。
まずは、事業セグメントを見てみましょう。
ハウスドゥの主な事業分野
ハウスドゥは「不動産×IT×金融」という独自のビジネスモデルで急成長中の企業となります。
主な事業分野には以下のものがあります。
①フランチャイズ事業
⇒全国に不動産仲介のFC加盟店網を構築し、加盟店から手数料を取るビジネスモデル
②ハウスリースバック事業
⇒後で詳しく取り扱いますが、急成長中の事業
③不動産金融事業
⇒不動産を担保にしたローンなどを提供する事業
④不動産売買事業
⇒いわゆる普通の不動産事業。自社で物件を取得または建築し、顧客へ販売する事業
⑤その他
⇒その他に、リフォーム、不動産情報、建物管理の事業があります
それぞれ特色のある事業セグメントですが、特徴的なものは①②③です。
ハウスドゥはフロー型の収益からストック型収益重視に経営の舵を切っている
先ほどの事業セグメントの中で、①②③はストック型のビジネスモデルとなります。
例えば、不動産におけるフロー型とストック型のビジネスモデルとして以下のようなものが挙げられます。
【フロー型】1回売ったら完了のビジネスモデル
例えば、建築会社などから新しい物件を仕入れて、それを顧客に販売するような形態です。
顧客に販売出来れば、一気に全額の利益が出ます。
一方で、売ってしまえばその物件からは基本的に利益が発生しなくなります。(建物管理を請け負うことはありますが)
【ストック型】少額ながら継続的に利益を生み続けるビジネスモデル
例えば、仕入れた物件を自社で保有し、それを第3者に賃貸するような形態です。
毎月の収入は少なめになりますが、基本的に物件を保有している限り継続的に利益を得られることがメリットになります。
また、ハウスドゥでは物件賃貸によるストックビジネス(ハウスリースバック事業)だけでなく、フランチャイズ事業と不動産金融事業というものも行っていなす。
フランチャイズ事業は、全国に不動産仲介のFC加盟店網を構築し、加盟店から毎月手数料を取るビジネスモデル。
不動産金融事業は、不動産を担保にしたローンを提供し、残高に応じて毎月手数料を取るビジネスモデル。
これも加盟店の数やローン残高に応じて安定的に手数料が入ってきますので、ストック型の形態となります。
不動産業に属するデベロッパーなどは多くがフロー型のビジネスモデル中心になっています。
一気に利益を出しやすいフロー型ですが、問題点があります。
それは景気変動の影響を受けやすく、業績が安定しにくい点です。
急な景気の冷え込みが起きると、保有している不動産の価値が販売する前に落ちることがあります。
また、顧客のへの販売がうまく進まないとたちまち資金繰りに困ってしまう点も問題です。
リーマンショックの時には資金体力の無いフロー型ビジネスモデルの中小不動産会社が大量に倒産する事態になりました。
これらの不安定性や、日本の社会情勢の限界(人口減少)などから、中小の不動産銘柄は極めて低いPERで放置されています。
PER10倍以下がゴロゴロと・・・
ハウスドゥの経営者はフロー型ビジネスモデルに対する限界を認識しているようで、数年前からストック型中心になるように経営方針を大きく変えています。
下記の上側のグラフを見ると、売上高においては着実にストック型の構成比を高めてきています。
また、下側のグラフを見ると分かる通り、営業利益ベースでは既にストック型の構成比が50%を超えています。
従って、ハウスドゥは他の中小不動産銘柄と違ってストック型中心の不動産事業者に生まれ変わっていると言えます。
ハウスドゥの成長ドライバーはハウスリースバック事業
前の章までで、ハウスドゥの事業については概ねご理解頂けたのではないでしょうか。
不動産業にも関わらず、ストック型ビジネスが積み上げられた安定的な収益構造を既に確立しているということです。
しかしながら、株式投資の重要なファクターは「安定」より「成長」です。
高配当株でもない限り、成長のない企業に投資するメリットはあまりありません。
以下に、ハウスドゥの今期の会社予想を事業セグメントごとに示した図を引用します。
左側が売上、右側が営業利益の会社予想になります。
グラフを見ると、上3つのストック型事業(フランチャイズ、ハウスリースバック、金融)がいずれも伸びる予想になっています。
下3つのフロー型事業はほぼ横ばいの安定推移が見込まれています。
中でもひと際目を惹くのが水色で示されたハウスリースバック事業です。
売上も営業利益も同セグメントで圧倒的な成長が見込まれています。
ハウスリースバック事業とは何か?
ハウスリースバックとは、ハウスドゥが居住者から物件を一旦買い取り、同じ居住者に賃貸に出す事業となります。
【居住者のメリット】
・家を売ることでまとまったお金を手にすることが出来る
・家を売った後も、家賃を払うことで同じ家に住み続けることができる
【ハウスドゥのメリット】
・住み慣れた家は離れたくないがまとまったお金が欲しいという潜在売却ニーズを掘り起こすことができる
・毎月の家賃収入が安定的に入る(しかも、普通の賃貸物件と違って空室になるリスクがほとんどない)
オジサンは、ハウスリースバック事業が今後も大幅に伸び続けると考えています。
ハウスリースバックは日本の社会情勢と高齢者のニーズにマッチした仕組みである
ハウスリースバックの説明を見て気付いた人もいると思いますが、これを利用する人の大半が高齢者になります。
伸び続けると考えられる理由は、昨今の社会情勢や高齢者のニーズと同事業が非常にマッチしているからです。
以下より、ハウスドゥの決算資料を引用しながら高齢者の特徴を見ていきます。
①高齢者は持ち家率が高い
高齢者は数自体が若者より多いのですが、持ち家率も非常に高いです。
ハウスリースバックの対象になりうる母集団が非常に巨大だということです。
②高齢者は所得が少ない
当たり前ですが、退職をした人が多い高齢者世帯は所得が少なくなります。
裕福な高齢者も一部にはいますが、年金と貯金を切り崩しながら持ち家で質素に生活している高齢者もたくさんいるということです。
つまり、高齢者の存命中にまとまった資金を手にしてもらって、より裕福な老後の生活を送ってもらうというのがハウスリースバックの基本的な役割になります。
現在は高齢者が亡くなった後に自宅を子供に相続させるパターンが一般的ですが、まあロクなことがありません。
不動産の売却は結構大変ですし、親が住んでいた家を売るのもなんとなく忍びないです。
結果的に非合理的な理由で空き家として放置されてしまっている家が日本には大量に存在します。
そうなるくらいであれば、高齢者が存命中に自分の意志で売却し、豊かな老後を過ごしてもらった方が余程いい。
このように社会情勢にマッチしそうなハウスリースバックの仕組みですが、実際に契約者が急増しています。
以下はハウスドゥの1Q決算資料からの引用ですが、ハウスリースバックの仕入れ件数が前年同期比で92%も増えています。
まだまだ増える見込みとのことで、今期中に月平均60件以上の仕入れまで引き上げる予定になっています。
ハウスドゥの直近の株価推移を確認
これまでの説明で、ハウスドゥにはハウスリースバック事業という強力な成長ドライバーがあることを示しました。
では、肝心の株価の推移はどのようになっているでしょうか?
日足チャートを見てみましょう。(18年12月11日現在)
とにかく猛烈に下落しています。
チャートを見ると10月以降は一直線に下降していますが、決算発表前後で下落期①と②に分けて考える必要があります。
【下落期①】
9月に起きたTATERUの不祥事によって、中小不動産株が全体的に軟調となってしまいました。(セクター売り)
さらに10月は地合いも最悪で、単月ベースではリーマンショックに匹敵する日経平均の下げ幅になりました。
つまり、下落期①はハウスドゥの個別要因以外の問題で下げたと言えるでしょう。
あまり気にする必要はありません。
【下落期②】
下落期②は1Q決算の発表以降に起きました。
決算発表直後に窓を開けて大きく下落し、その後も軟調に推移していました。
下落期②は、ハウスドゥの決算に対する市場の評価が低かったことが下げた要因と言えます。
これについては状況をしっかりと分析する必要があります。
ハウスドゥの1Qは決算が本当に悪い内容であったのか点検
では、窓を開けて大きく下落する原因となった1Q決算を見てみましょう。
【ハウスドゥ1Q決算実績】カッコ内は前年同期比
売上高:60.7億円(+30.4%)
営業利益:4.7億円(+8.0%)
経常利益:4.2億円(+7.6%)
純利益:3.1億円(+23.5%)
全ての項目で前年同期比プラスの増収増益決算でした。
そもそも積み上げのストック型が収益の中心になっていますので、減益になる要素は少ないのですが。
この数字だけ見ると非常に良い決算だったように思いますが、以下に会社予想に対する進捗率を示してみます。
そうすると、会社予想に対する1Q実績の進捗率が悪いことが分かります。
投資家としては2Q予想に対して50%、通期予想に対して25%以上の進捗があれば安心できますが到達していません。
売上高の進捗率はそこそこですが、営業/経常利益の進捗率が特に低く見えます。
つまり、投資家がこの進捗率を見て、近々の下方修正発表を連想したことが決算直後からの暴落の原因と考えられます。
2Qと4Qにはハウスリースバック事業の物件売却が予定されている
実は1Q決算資料に2Qと4Qに不動産の大型売却が控えていることが書かれています。
これはハウスリースバック事業の物件を売却するということです。
つまり「一見すると利益の1Q進捗率が低く見えるけど2Qと4Qで進捗しますよ~」ということです。
まず決算直後にはこのアナウンスを見なかった人が投げ売りしたと思います。
しかし、この資料のアナウンスを見たからと言ってハウスドゥを買えるか?と聞かれると答えはNOです。
この情報だけでは2Qと4Qの大型売却の規模が分からず、完全には信用できないからです!
大丈夫なように見せておいて、後から結局下方修正というパターンも株式市場ではよくあることです。
ましてや、1Qの営業利益の進捗率は2Q予想に対して30%しかないのです・・・
本当に大丈夫なの!?
IRに2Qの大型売却の規模について電話で問い合わせをしました
※この章の内容は電話の内容ですし、ややセンシティブな情報を含みます。
※さらに、IRに問い合わせを行ったのは1Q決算直後ですので最新の状況は変化している可能性もあります。
※当ブログでは責任を負いかねますので、気になる方はご自分でも二重チェックの意味でIRに問い合わせをお願いします。
2Qの大型売却で本当に上期の会社予想が達成できるのか疑ったオジサンは、IRに電話をしました。
オジサン「2Qの売却規模はどのくらいですか?」
IR「何億円ということは開示しておらず、回答できません。」
(ここまでは予想通り)
オジサン「何億円というのが開示できないのは分かっています。では、”他の事業に大きな問題がなければ”上期の会社予想を達成できそうな規模感ですか。」
IR「そういう意味ではその規模ということになります。」
IR担当者の言ったことを信用するならば、上期の会社予想は達成出来ると考えています。
”他の事業に大きな問題がなければ”という前提が付いていますが、ハウスドゥの収益構造の半分以上はストック型のビジネスモデルになっています。
そういう意味で、フロー型中心の会社に比べて他の事業に問題が生ずる可能性が低いからです。
どうやら上期の予想は達成できそうな芽が見えてきましたが、これだけではオジサンは全然納得しません。
さらに詳細をIR担当者から聞き出しました。
以降はIR担当者から聞いた情報をベースに記事にまとめています。
何故ハウスリースバック事業で物件の売却を始めたのか?
以下のグラフはハウスリースバック事業の保有物総額・件数の推移となります。
FY18の2Qまでは右肩上がりに保有物件数が増えていますが、そこを境に物件数がジグザグに推移しています。
不動産ファンド等への売却を開始したということです。
ハウスリースバック事業は、本来は居住者からの家賃で利益を上げるストック型のビジネスモデルです。
それを売却するというのはおかしな話です。
そこについてIR担当者に質問をしたところ、金融機関からの借入金の比率が関係しているとの回答を得ました。
まずはハウスリースバックのお金の流れを簡単に図示してみました。
図を見て頂くと、まずはハウスドゥが物件買い取り用の資金を銀行から借り入れ、そのお金で保有者から物件を買い取ります。
保有者はそのまま同じ物件に住み続けることができ、毎月ハウスドゥに家賃を支払います。
当然のことながら、ハウスドゥは銀行に対して毎月融資を返済していく必要があります。
この図の中で、基本的には「毎月の融資返済額」<「毎月得られる家賃の額」になっているはずです。
この差額がハウスドゥにとってはキャッシュフローとして手元に残るわけです。
「毎月の融資返済額」<「毎月得られる家賃の額」をキープする限り、融資さえ受けられれば理論上は無限に物件を増やしていくことが可能です。
しかし、ここで問題が生じます。
物件を増やしていくと銀行からの融資金額がどんどん大きくなってきます。
そうすると、財務上の自己資本比率が低下するということが発生します。
毎月得られる家賃の額が融資返済額を上回っていれば問題はないのですが、銀行には自己資本比率が低すぎる会社にはお金を貸せないという自主ルールが普通はあります。
結局のところ、自己資本比率を高く保つことがネックとなって物件保有数に限界が生じます。
この限界に対応する策として主に以下の2つがあります。
①増資する
②物件を売却する
①の増資については既に前期に実施しています。
自己資本比率を高めるために増資をしたと経営者が言っています。
それに加えて②の物件売却も開始しています。
背景として、ハウスリースバックの認知度向上による契約件数の増加があります。
前の章で述べた通り、仕入れ契約件数は前年同期比で92%も増えています。
ハウスリースバックを使いたいという人が大量にいるのに、自己資本比率の関係で銀行からの融資が十分に受けられずに顧客を取り逃がすということは大変もったいない話です。
とはいえ、増資の頻度にも限界があります。
そうであれば、一部の物件を売却してしまい新しい物件を買った方が資金効率が良い賢いやり方です。
2Qと4Qのハウスリースバック物件の売却というのは今期限りの特別利益としてたまたま発生するわけではなく今後とも恒常的に発生する仕組みなのです。
(ただし、今の契約獲得数を維持向上できる前提での話です)
今後はある程度獲得物件数と売却物件数のバランスを取っていく方針であるとのことですので、来期以降も物件の売却は発生しそうですし、むしろ売却件数は加速すると考えています。(契約件数が急増しているのでバランスを取るためにたくさん売らなくてはいけない)
ハウスリースバック物件の売却は何故2Qと4Qに集中するのか?
ここまででハウスドゥの虎の子事業であるハウスリースバック事業に対するご理解がかなり進んだのではないでしょうか。
物件売却が始まった背景や今後も物件売却が続くという見通しについてIR担当者のお陰で腑に落ちました。
IR担当者に聞いた最後の疑問は、何故2Qと4Qに物件売却が偏るのか?についてです。
IR担当者が言うには、”敢えてそうしている”とのことです。
どういうことかと言うと、毎四半期ごとに一定の売却をすることも可能だがなるべく物件を自社でキープする期間を延ばしたいとのことです。
ハウスリースバック事業で取得した物件は非常に優良なものが多いそうです。(本来であればむしろ売りたくないくらい)
売却する時期を1か月でも先に延ばした方がそれだけ収益が増えるのです。
そのような理由から、2Qと4Qに偏るように予定を組んでいるとのこと。
また、売却先は大手不動産会社やファンドであり、多数の物件をまとめて売るようです。
売却時期を偏らせた方が事務的な手続きの効率も良くなるそうです。
このIR担当者の話を聞いて、オジサンは2つのことを感じました
①ハウスリースバック物件の売却はハウスドゥ側主導で行われている
②ハウスリースバック物件はかなりの安値で仕込んでいる
①についてですが、物件売却先の顧客の都合で2Qと4Qに偏っているわけではないということです。
つまり、売却について期ズレだったり、売却件数が目標に到達しないといった不動産会社にありがちなリスクが小さいと判断しています。
②は①とも絡みますが、ハウスドゥが手放したくないくらい良い条件で仕入れが進んでいる可能性が高いと思います。
物件の売却時期を自社主導でコントロール出来るということは、いくらでも買いたい会社が出てくるような優良物件であるということです。
(章まとめ)
この章をまとめておきます。
・ハウスドゥの1Q決算の実績は見た目上の進捗率が低く見えるが2Qの物件売却で挽回できる見込み
・ハウスリースバック事業の物件売却は今期だけの特別事案ではなく、今後とも恒常的に続く可能性が高い
・物件の売却時期はハウスドゥ側でコントロールできており、期ズレのリスクは小さそう
ハウスドゥの基礎的なファンダメンタルズを確認
この章では簡単に現状のハウスドゥのファンダを確認しておきます。
【直近5年間の業績推移】
まずは四季報に載っている過去5年間の業績推移を表に示します。
FY17を除いて一貫して増収増益を繰り返しており、直近では成長が大幅に加速していることが分かります。
また、FY19の会社予想も含めると5期連続で増配をしています。
株主還元にも比較的積極性のある会社です。
【株価指標】
18年12月12日現在
株価(終値):1195円
時価総額:約232億円
PER:11.68倍
配当利回り:2.59%
PERについては、東証1部の不動産業の平均が13.07倍ですからやや割安。
中小のデベロッパーではPER5~6倍台の黒字会社もあるので、それらと比べると割高。
しかし、ストック型中心のビジネスモデルであることと業績の成長角度から考えると極めて割安な水準であると認識しています。(私見)
【財務指標】
流動資産:約162億円
固定資産:約156億円
流動負債:約121億円
固定負債:約101億円
自己資本比率:約31%
いずれも不動産業として見た場合は問題のない水準です。
事業構造からしても資金繰りや倒産の心配は全くありません。
ハウスドゥのリスクを点検しておきましょう!
これまでで、ハウスドゥのストック型という強固なビジネスモデル基盤とハウスリースバック事業という成長ドライバーを中心に説明してきました。
しかし、これで終わらないのが本ブログの特徴です。
しっかりとリスクについても指摘しておきます!
(字がデカい・・・)
現状のハウスドゥについて、オジサンは2つのリスクを認識しています。
①ハウスリースバック事業の参入障壁の低さ
②会社の急成長によるコンプライアンス整備の懸念
①ハウスリースバック事業の参入障壁の低さ
ハウスリースバックが今の時代にマッチした有望な仕組みであることはご理解頂いたと思います。
一方で、ある意味単なる仕組みですのでハウスドゥでないと絶対に出来ないビジネスモデルではありません。
もちろん、査定のノウハウだったり全国にあるフランチャイズチェーン網による営業力はあります。
しかし、これだけ美味しい市場であれば他の会社が参入してきてもおかしくありません。
既に東京スター銀行やインテリックスなども参入しています。
今のところヤフーなどで「ハウスリースバック」で検索するとトップにはハウスドゥばかりが出てきます。
同分野でハウスドゥ圧倒していると思いますが、強力なライバルがこぞって参入した場合には市場のパワーバランスに変化が生じる可能性があります。
レッドオーシャンになると、競合激化による契約件数の減少や買取価格の上昇が起きるでしょう。
このリスクについては今後とも点検が必要です。
②会社の急成長によるコンプライアンス整備の懸念
ネットでハウスドゥの評判を検索すると、結構な数の悪評が出てきます。
(ハウスドゥに限らず、不動産会社の悪評は各社出てくるものではありますが・・・)
これは急激なフランチャイズ店の増加が原因ではないかと個人的には考えています。
フランチャイズオーナー店長はハウスドゥにとって身内ではなくビジネスパートナーという関係になります。
きちんと研修をしていると言っていますが、急激な店舗網拡大によってコンプライアンス(法令順守)が徹底されているかやや疑問です。
少なくとも会社ぐるみで悪さをしているとは思いませんが、コンプライアンス上で何かしらの問題が出てくる可能性もゼロではないでしょう。
万が一にでも、TATERUのような明確な不正を会社ぐるみで行っていることが明らかになった場合、短期的には株価が暴落すると思います。
コンプライアンスの問題はテールリスク※として認識しています。
※テールリスク:確率的には低いものの、発生すると非常に巨大な損失をもたらすリスク
これまでの情報で投資のストーリーを立てる
延々と説明してきましたが、最後に冒頭で申し上げたようにストーリーを作ってみたいと思います。
あくまでも個人的な見解によるストーリーです。人によってストーリーは変わって問題ないです。
オジサンがハウスドゥ購入決定にあたって立てたストーリー
※特に重要なものは赤字にハイライトしています
【結論】
ハウスドゥは割安な成長株なので投資チャンスのある銘柄である
【(結論に対して)何故ならば・・・】
・PERなど各種指標が割安で、財務的にも問題が無いから
・収益構造はストック型中心で構成されており強固だから
・社会情勢にマッチしたハウスリースバック事業が伸びると思うから
【重点的に見ていくべきポイント】
・ストック型事業分野が増収増益になること
・ハウスリースバックの契約件数が四半期ごと増加すること
・ハウスリースバックに新規参入する競合の状況
【撤退するべき状況】
・ストック型の事業分野の増収増益が止まった場合
・ハウスリースバック契約件数の増加が止まった場合
いかがでしょうか。
買った理由、今後見るべき項目、撤退すべきポイントまでがクリアになっていると思います。
ストーリーの思惑が外れてハウスリースバックの成長が早期に止まるようなことがあれば、おそらくハウスドゥの株価は大きく下がることになると思います。
そうなったとしても、ストーリーがありますので塩漬けせずに損切り撤退することが出来ます。
買った時のストーリーが否定されたら含み損でも損切りすることが大切です。
後書き
今回の記事は銘柄分析としてかなり詳細に記載しました。
長文にも関わらず最後までお読み頂いた方はありがとうございましたm(__)m
どれだけニーズがあるか分かりませんが、今後とも何かしらの銘柄を題材にして詳細分析やストーリー作りの実例をご紹介していくかもしれません。
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