最近は有り難いことに本業が忙しくてブログを書く時間があまりないです。
おろおろしてる間にDeNAの決算が迫ってまいりました。
銘柄の分析を書いておきたいと思います。
DeNAは「ゲーム」「EC」「スポーツ(野球)」「新規事業・その他」の4つのセグメントがあるため、個別に見ていく必要があります。
分析するのは変動が激しい「ゲーム」のセグメントになります。
DeNAのゲーム事業には他社の決算資料が役に立つ
DeNAに限りませんが、多くの企業は業績に連動性があります。
例えば、トヨタの生産台数が増えれば下請けの業績が上がりますし、半導体製造装置のアルバックの業績が上がれば真空シールを作っているフェローテックの業績が上がります。
原則として。
そういう意味で、DeNAのゲームセグメントを見る上でチェックしておいた方が良いのは任天堂とサイバーエージェントになります。
幸いなことに両社共にDeNAより早い日程で決算を出してくれるので、見ない手はありません。
任天堂の業績からDeNAの業績を予測する
DeNAが任天堂と協業していることは皆さんもご存知かと思います。
今のところ、マリオとFEHが配信済みです。
まずは、DeNAと任天堂の協業アプリに関する取り分について考察します。
任天堂の故岩田社長とDeNA守安社長の共同会見の様子がネット上にあります。
そこで重要な発言がされています。
発言の要旨は下記の通り↓
・取り分について、版権に関わる部分以外は役割に応じて配分する
・基本的には半々くらいになると思う
少なくともマリオやFEHについては、この発言に基づいて配分されている可能性が高いと思います。
そうすると、DeNAと任天堂の取り分は以下のようになりそうです。
(PF取り分とIP使用料を除いた部分を半々に分割する想定)
人件費や減価償却などを無視して単純化すると、会計上は任天堂は100の売り上げが立ち(グロス計上)60を経費として払う。
DeNAは30しか売り上げが立たないが、ほとんどが利益となる。
グロスとネットについては過去の記事でまとめていますのでご参照ください↓
この想定が正しいかどうかを任天堂の決算資料を使って次の章で検証します。
任天堂の決算短信に載っているスマートデバイスセグメントの売上をチェックする
DeNAの決算に任天堂の協業アプリが始めて本格的に寄与したのは2017年3月期の3Qからです。
(その前からミートモはやっていますが、売り上げが僅少)
まずは任天堂の決算短信から、「スマートデバイス・IP関連収入等」セグメントの売上を確認します。
3Qから急激に売り上げが増えていますが、これは明らかにマリオランの影響です。
単純に3Qから2Qを引き算して、約48億円がマリオランの3Q売上と考えられます。
前の章の取り分の予想図が正しいとすると、DeNAにはネット計上で3割の14.4億円程度が上積み取り分として計上されているはずです。
4Qでは36.6億円程度((142-18)×0.3)が上積み取り分予想となります。
続いて、DeNAの決算をチェックします
同じ期間のDeNAのゲーム事業の決算を確認してみましょう。
上段がDeNAゲームセグメントの実績値です。
ちょっと見方が難しい表ですが、下段がオジサンのロジックを適応した任天堂の取り分を加味した推定業績です。
3Qと4Qのオジサンのロジックによって算出した売り上げとDeNAの実績の売上が大体近似することが分かります。
つまり、前の章で述べた任天堂からの取り分推定は、それなりに正しい可能性が高いと言えます。
DeNAの3Qと4Qの決算が発表された時に、ゲームセグメントの売上の伸びがさほど大きくなかったので、Y掲示板がざわざわした記憶があります。
しかしながら4Qで営業利益率が急上昇していることから、任天堂からの取り分3割程度がしっかりとネット計上されていたものと推測されます。
任天堂の2Qのスマートデバイスセグメントの売上はどうだったか?
2018年3月期の任天堂の決算資料を見ると、1Qも2Qもスマートデバイスセグメントの売上は約90億円ずつで横ばいでした。
国内でマリオランの失速やFEHがぱっとしないことから心配がされていました。
任天堂の短信を見ると、確かに国内ではソシャゲの売上が落ちていますが、国外の増加でカバーしており90億円をキープした格好です。
そうすると、2Qも1Qと同等程度の収益が任天堂からDeNAに入ると考えられます。
任天堂との協業事業の落ち込みによる過度な警戒は不要であると言えます。
後は任天堂との協業以外を推測すれば大体分かる
任天堂以外のDeNAのトピックについて箇条書きにします。
(ポジティブ)
・オセロニアのセルランが1Qより上がっている
・歌マクロスリリースで、初動はまずまず(3Q現在は落ち込んでいますが)
・グラブルは概ね横ばいをキープしているようである(サイバーエージェントの決算資料より※)
※任天堂と同様に、サイバーエージェントの決算もチェックしておくべき
(ネガティブ)
・FFRKは減少
・ブラウザ系、その他ネイティブはいずれも経年劣化による漸減
細かい想定は省きますが、任天堂以外のアプリについてはポジネガ合わせて概ね横ばいと言えるでしょう。
ゲームセグメント以外の事業の1Q比の結果は
時間が無いため、簡単に書きます。
EC事業
よく分かりませんが、売り上げは前Q比横ばい想定。
営業利益は前Q比+9億円程度想定(特損がなくなるので)
スポーツ事業(野球)
売上前Q比+7億円程度想定(昨年の推移を参考にして)
営業利益前Q比+4億円程度想定(昨年の推移を参考にして)
新規事業・その他
売上前Q比で横ばい想定
営業利益前Q比で横ばい想定(キュレーションの損失が数億減る見込みだが、保守的に算定)
結論として、DeNAの2Q決算はどんな感じになりそうか
ゲーム事業が前Q比で概ね横ばい、ゲーム以外が前Q比で営業増益になると思います。
会社予想の数字を多少上回ってくると予想しています。(特損がなければ)
ただし、前年比では減収減益(営業利益)となる可能性が高いです。
Q on Qで増収増益、Y on Yで減収減益予想なので、まあ決算後の株価は上でも下でも大きな動きになりにくいと予想。
今回の2Q決算は前座に過ぎません!結局はどうぶつの森次第
決算は無難通過になりそうなので、あまり注目していません。
結局はどうぶつの森が全てでしょう。
これが当たるとオジサンは考えています!
また初動セルランの予想記事をUPすると思いますが、その前の考察は下記をご覧ください。
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