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株式投資一般

任天堂がコロプラを提訴!完全敗訴した場合のコロプラをシミュレーションしてみた

投稿日:

本日のIR適時開示にてショッキングなニュースが飛び込んできました。

 

【当社に対する訴訟の提起に関するお知らせ】

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1543523

 

IRの内容を箇条書きにまとめると・・・

 

・任天堂はコロプラが白猫プロジェクトで自社の特許を侵害したと主張

・損害賠償44億円以上を請求

・白猫プロジェクトの配信停止を請求

・コロプラ側は特許の侵害は行っていないとして争う姿勢

 

ネットで軽く調べると、白猫プロジェクトにはパクリ疑惑などが前から指摘されていたようです。
(今回の件は特許侵害なので著作権とは異なりそうですが、要はパクリをやったかどうか)

 

裁判の行方については当ブログでのコメントを差し控えますが、仮にコロプラが完全敗訴になった場合にどのような状況になりそうかをシミュレーションしてみたいと思います。

 

完全敗訴した場合、44億円の支払い及び白猫の配信を停止するという想定です。

 

果たして、コロプラは倒産してしまうのでしょうか・・・

 

まずは、コロプラの財務状況をチェック

直近の4Q決算短信(P5-6)によって、財務の重要な項目をチェックしてみたいと思います。

44億円の賠償金支払いが可能かどうかです。

 

(資産の部)

流動資産を見ると、なんと623億円もあります。

特筆すべきは、流動資産の中で「現金及び預金」が514億円もあります。

 

(負債の部)

流動負債は59億円しかありません。固定負債を合わせても、64億円程度に留まります。

負債の中で借入金はなく、いわゆる無借金経営ということになります。

 

今回の訴訟の件で銀行から取引を打ち切られるリスクはそもそもありません。
(銀行との取引がないので)

 

まとめると、現金から負債を差し引いても400億円以上の余裕がありますので、賠償金44億円の支払いについて財務上の問題は全くありません。

 

次に、白猫プロジェクトの配信停止による影響を考える

前の章で、一過性の賠償金支払いには全く問題がないことが分かりました。

 

では、主力アプリである白猫プロジェクトの配信が完全に停止した場合もコロプラは大丈夫なのでしょうか。

 

2017年9月期の決算資料を参考に、“もし白猫プロジェクトが無かったら”という想定で概算してみます。

 

まずは、前提となるコロプラの業績の基本的な情報を掲載します。


【コロプラの2017年9月期の業績】

売上:522億円 営業利益:129億円

 

同期間の白猫プロジェクトの推定売り上げは184億円※

※FY2014のアプリ売り上げの95%が白猫分と想定

 

 

つまり、仮に白猫が無かった場合のコロプラの売り上げは522億円-184億円=338億円程度になっていたと思います。

 

次は営業利益への影響を試算します。

あり得ませんが、白猫の営業利益率が100%だとすると、「元々の営業利益:129億円」-「白猫の売り上げ184億円」で大赤字になります。

 

ここから、白猫が無かった場合に払う必要がなかった費用を戻していきます。

 

・PF手数料(Apple/Google):184億円×30%=55億円

・白猫に関わる広告宣伝費:19億円(不明ですが売上の比率に応じて年間広告費の40%が白猫分だと想定)

・白猫に関わる外注費やサーバー費用:17億円(不明ですが売上の比率に応じて年間費用の40%が白猫分だと想定)

 

白猫がなくなったら運営の人員をすぐに解雇するということは無理なので、人件費や家賃などの固定費は戻し費用に入れません。

 

 

まとめると、白猫が無かった場合の2017年9月期の営業利益は以下のようになっていたと概算します。

 

「元々の営業利益:129億円」-「白猫の売り上げ184億円」+「戻し費用55億円+19億円+17億円」=約36億円

 

 

【白猫が無かった場合の2017年9月期の業績概算】

売上:338億円 営業利益:36億円

 

【(参考)Klabの2017年12月期の会社予想業績】

売上:260億円 営業利益:43億円

 

 

白猫がなくても倒産はしないが、かなりまずいことになる

これまでの章で見てきた通りコロプラが完全に敗訴した場合でも、賠償金の支払いは可能ですし、営業黒字も維持される見込みであることが分かります。
(白猫以外のアプリが堅調である前提ですが)

 

しかしながら営業利益で30億円台になる可能性もあり、時価総額が700億円程度のKlabより低い水準となります。

ちなみに、本日時点でのコロプラの時価総額は約1560億円。

 

白猫が無かった場合にKlabに比べてコロプラの営業利益率が低くなるのは人件費が違い過ぎるからです。

コロプラの人件費はKlabの3倍以上かかっているようです。

 

本当に白猫がなくなってしまったら、早急なリストラ又は新たな柱となる新作が急務となるでしょう。

 

まずは穏便に済ませること。最悪の場合でも打席には立てる

白猫の配信停止という最悪のケースをシミュレーションしましたが、何と言ってもコロプラがまず目指すべきは勝訴です。

 

コロプラの財務を考えると、賠償金だけで済んだ場合は問題ありません。

株価を維持するためには、白猫の配信停止だけは回避しなくてはなりません。

(賠償金だけ払って穏便に済むならば、それも考慮すべき)

 

ただし、賠償金+白猫停止という最悪の場合でも現預金は潤沢に残りますし、通期の黒字は何とか維持が可能な概算です。

倒産するといった過度な心配は不要でしょう。

新作の開発を続けることも十分可能です。

 

とりあえず、裁判の行方を見守っていきましょう。

 

 

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